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卒業式 「校長式辞」

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ただいま、59名の卒業生に卒業証書を渡しました。バックミュージックは、「親知らず子知らず」と「予感」。3年生が全力で取り組んだ合唱コンクールの自由曲です。卒業生にとって宝物であるこの2曲とともに卒業証書を渡すことができ、言葉では言い表せない感情がこみ上げてきます。
(中略)
さて、3年A組、B組、E学級、そして、転校した2名を加え、合計61名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。皆さんは、これまで多くの人たちに支えられ、生かされてきたおかげで、今日を迎えることができています。人からいただいた恩恵は、計り知れない財産となって、皆さんの体の中に息づいています。この足助の人たちはもちろんのこと、数えきれないほどの人たちから愛情あふれるご支援をいただきました。これからは、これまでいただいたご恩にむくいるように、精一杯生きていくことでお返しをしていってください。

一年前の卒業式で、私は、卒業生のことを「家族のような学年」と言いました。今年は、ためらわずこう言います。「皆さんは、兄弟のような学年」です。もちろん、その中には、長男・長女である担任の先生たちも入っています。絶対に切れない強い絆で結ばれている皆さんは、見ていてうらやましい限りです。先日出来上がってきた卒業アルバム。中でも、私が最も好きな写真は、修学旅行の時、岩地の海岸にある「温泉船」に、クラスみんなで気持ちよさそうにつかっている写真です。とても可愛く、そして、兄弟そのものです。

そんな皆さんが授業やさまざまな活動で見せる最上級生としてのたくましい姿も、私の記憶に強く残っています。お互いの意見をつなげながら考えを深めていく道徳の授業、先頭に立って盛り上げようと頑張っていた生徒会活動・部活動、そして、何よりも強い印象として残っているのは、合唱コンクールへの取組です。クラス一丸となって作り上げた皆さんの合唱は、後輩や保護者、地域の皆さんの心を打ちました。足助中には、伝統と呼ばれるものがいくつかあります。ASK活動、立志式、足中体操などはもちろんですが、私は、「自らの姿で手本を示す最上級生の姿そのもの」が、足助中の誇るべき伝統だと思っています。皆さんは、この3年間で成長し、立派な足助中の伝統となりました。これからは、その姿を見てきた後輩たちが、必ず伝統を引き継いでいきます。

E学級のN君、3年間、一生懸命足助中学に通い、見違えるほど成長しました。担任の大西先生と、兄弟のように肩を組んで廊下を歩く姿が目に焼き付いています。N君と言えば、みんなをひきつける優しい笑顔です。新しい学校でも、その笑顔でたくさんの友達を作り、頑張ってください。

さて、今日は、皆さんにとって旅立ちの日です。むしろ、「巣立ちの日」と言った方がよいかもしれません。私は、自分の中学の卒業式の時、校長先生が「鷲(わし)の巣立ち」について話してくれました。その時、少しドキドキして聞いていたことを今でも覚えています。鷲は、どの鳥も通わない断崖絶壁に巣を作るのだそうです。まず、外側に野バラなどのトゲのある枝を組み合わせて枠(わく)を作り、その内側に木の葉(このは)などを敷き詰め(しきつめ)、最後は親鷲(おやわし)の柔らかく暖かい羽毛を敷きます。雛(ひな)がかえると、親鷲はかわいい雛に最大限の努力を払って餌を与えて育てます。人間で言えば、ここまでが義務教育でしょうか。しかし、親鷲は、雛がもう十分独り立ちできるようになると、あの巨大な口ばしで、内側にあった柔らかい羽毛と枯葉(かれは)を散らしてしまうのです。すると、残っているのは鋭いトゲのあるバラなどの枝です。雛は、痛いので飛び立とうとしますが、恐ろしくて飛び立てず、しがみつくとトゲが刺さり血が出ます。どうすることもできなくなり、思い切って大空に飛び立つのです。これが、「巣立ち」です。飛び立ってみて初めて、自分の翼の力で飛べることを発見するのです。

皆さんの今日の「巣立ち」は、9年間の義務教育を終え、社会人への出発点に立つことを意味します。不安や戸惑いもあるでしょう。その揺れ動く心を安定させるためには、行動する方向を示してくれるコンパスが必要です。先生・家族・友人などに相談することはあるでしょうが、基本は、自分の頭でまず考え、判断することが大切です。第二次世界大戦が終わって30年間、ルバング島のジャングルの中で、一人で戦い続けた小野田さんという人の話を聞いたことはあるでしょうか。小野田さんは、「コンパスは、方向は教えてくれるが、川や谷を避ける方法は教えてくれない。コンパスばかり見ていると、川や谷に落ちてしまう。自分で考え、判断しなければ。」と話しています。自分で考え、判断し、そして実行です。

巣立ちは大変というイメージを持った人もいるかもしれませんが、心配無用です。皆さんは、この日のために、3年かかってこの足助中学でのさまざまな体験から、「自立の精神」を学んできました。「心・言葉・行動」の頭文字(かしらもじ)からとった、三つの「こ」は、皆さんが自立の基礎を身につけるための大切な練習だったのです。

明日からは、足助中学で皆さんの顔を見ることはできなくなりますが、私たち職員一同、皆さん一人一人の思い出を心にしっかりとどめ、これからもずっと皆さんのことを応援していきます。

3年B組の自由曲「予感」の中にこんなフレーズがあります。
影をなす不安と焦り(あせり)のかなたに
光あふれる美しい世界が広がる
迫り来る試練と嵐のかなたに
緑さやかな安らぎの世界が広がる

卒業生の皆さんが、希望あふれる世界に向かって、自分の翼を力強く羽ばたかせながら飛び続けることを心から願い、式辞とします。


平成30年3月6日 足助中学校長 筒井 健一


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