WE LOVE たかおか 〜みんなで一人の子ども(宝)を育てよう!〜

2019.3.5 「第72回卒業式」から校長式辞

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「第72回 卒業式 式辞」

 ひと雨ごとに日ざしに温かさと力強さが加わり,ここ高岡の地にもようやく春の訪れを感じる季節となりました。
 このよき日に,豊田市教育委員会教育委員 明木様,父母教師会会長 上口様,豊田市議会副議長であり本校同窓会長 太田様,豊田市議会議員 小島様をはじめ,多くのご来賓の皆様のご臨席を賜り,高岡中学校第72回卒業式が厳粛のうちにとり行われますことに,厚く御礼申し上げます。

 また保護者の皆様,3年間にわたり,皆様のかけがいのないご子息をお預かりして,我々職員一同,誠心誠意努力してまいりました。中には不行き届きの面があったかと存じますが,常に本校の教育に対して温かいご理解とお力添えをいただきましたことに,心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 さて,72期生156名の皆さん,御卒業おめでとうございます。義務教育9年間を無事修了して,立派に成長され,新しい道に進もうとする皆さんの輝かしい前途を心から祝福したいと思います。私自身,君たちと共に過ごした最後の3年間は,たいへん思い出深いものとなりました。

 学年スローガン「ジグソーパズル」一人一人が光り輝き,それらを一致団結して1枚の素晴らしいパズルを完成させたいという願いをもって過ごした3年間でしたね。特に皆さんは,この一年,本校の最高学年として「煌めこまい」を合言葉に,大きな責任と自覚をもって,立派に高岡中学校の顔として「煌めいて」いました。準備に率先してきびきび動く姿,元気で気持ちのよいあいさつ,そして全校集会での心からの温かな拍手が印象的でした。皆さんの「自分の心に,学校に,後輩に何かを残そう」と,常に煌めく姿がたくさん見られました。地域に対しても行動で「WE LOVE たかおか」の礎を築いてくれました。

 選抜合唱の「結―ゆいー」・・・(手話を交えて)「信じること あなたの中に 眠っている力に気づいて あきらめないで 無駄なことなんて なにひとつないって思い出して 僕たちはなにより 強い絆で結ばれている」。
 苦しくて逃げてばかり,自分が情けなくなる。だけどみんなと笑ってたどり着きたいと願う皆さんの心情を,手話を交えて見事に表現した合唱でした。

 私との会食では,皆さんの「未来予想図」を聞かせていただきました。「プロスポーツ選手となって世界で活躍する。動物の保護活動に取り組む。人を幸せにできる介護士・生きる希望を与える看護師になる。宇宙の謎を解明するためにJAXAで働く。」等,多くの皆さんから「人を笑顔に,人の役に立ちたい 探究したい」という言葉を聞き,心から嬉しく思いました。

 グローバル化が加速し,全てが地球規模で動き流通する時代。そして豊田市では日本初のラグビーワールドカップ2019が, 東京オリンピック・パラリンピック2020,大阪万博2025と世界の人々が心躍らせるイベントが日本で開催されます。日本のどこにいても外国,異文化とつながるのが当たり前になります。
 皆さんを待ち受けている未来は,どうでしょうか。IoTやAIの普及による第4次産業革命の到来。私たちの生活が一変する時代がすぐそこまで来ています。昨年10月,トヨタ自動車の豊田章男社長が 「今を100年に一度の大変革の時代」と捉え,「自動車をつくる会社」から「モビリティーカンパニー」すなわち,世界中の人々の「移動」にかかわるサービスを提供する会社になることを宣言しました。また,隣の中国ではキャッシュレス時代の到来とAIによる個人の信頼度の格付けが始まっています。皆さんには,こうした時代を生き抜く力が必要となります。
 今の日本はどうでしようか。周りには物が豊かにあふれ,もののありがたみを感じない社会。必要以上につくられた食べ物が多量に捨てられる社会。過剰サービスで,やってもらうことが当たり前の社会。周りに感謝しなくても,自分が動かなくても何とか生きていける社会になってしまったように感じます。そのため,大人も子どもも「感謝」することを忘れ,自分が克服すべき課題を他者の責任にしている人が増えてきていることを危惧しています。
 先がなかなか見通せない未来。だからこそ,「無駄なことなんて何一つないって思い出して」ください。そして,勇気をもって自らの足で一歩を踏みだしてください。

 1995年4月 生後8か月の赤ちゃんと一緒に私はインド・ボンベイに赴任しました。日本食がまったく手に入らない地。一粒の日本米のありがたさを感じました。法律上廃止されたカースト制度。今だに身分で職業が決められている現実を知りました。生活困窮者が住むスラム。学校に通うことができず懸命に働く多くの子どもたちを見ました。十分な用具もなく,ボロボロの教科書を大切に使っている公立学校。学ぶ意欲にあふれる子どもたちの目の輝きは,今でも鮮明に覚えています。地方から職を求めて都会に流れる多くの若者。生きるために独学で英語をマスターしていることを知りました。多民族国家のインド。一人一人の生き方が,信じる宗教の教えに従っていることにも気づきました。
 そして,日本へ初めてマザーテレサを紹介した沖守弘氏との出会い。熱い思いをもって語る姿に感動し,彼の著書「あふれる愛」を読み,マザーの生き方に興味をもちました。家族で彼女の活動場所やインド国内各地を巡り,人々の様子を目に焼き付けました。
 1997年9月,マザーは生涯を閉じました。全てのインド国民が,彼女の死を嘆き悲しむ光景を目の当たりにしました。私にとって,自分の生き方を考えるかけがえのない3年間となりました。

 狭い世界しか知らないことは,たいへんもったいないことです。世界に目を向け,広い視野で,そして人生100年という長いスパンで考えれば,今,あなたが抱えている悩みも,とってもちっぽけな悩みであることに気づくことでしょう。
 合唱曲「結―ゆいー」にもこんな歌詞があります。

「うつむいた瞳には映らないけど,見上げればこんなに青空はひろいのに」

 卒業生の皆さん,人生は一度きり,自分自身の人生です。失敗や後悔はつきものですが,そんな時に,ここにいる仲間やお世話になった方々に感謝し,その教えを思い出し行動してください。自分の夢に向かって,自分自身で最初の一歩を踏み出してください。そして,「WE LOVE ジグソーパズル」を胸に歩み続ける勇気をもってください。一歩,そしてまた一歩と,踏み出すたびに 進んだ人だけに見える景色がきっとあります。そこには必ず皆さんの「煌めいた未来」が待っていると信じています。そして,自分らしい人生を送ってください。

 いくつになっても「Yes, I have a Dream」と・・・。

平成31年3月5日
               豊田市立高岡中学校長 林  泰 之


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