令和8年度 入学式・始業式 校長式辞
- 公開日
- 2026/04/09
- 更新日
- 2026/04/09
学校行事
式 辞
春の訪れを感じる、暖かな日が増えてきましたね。新入生の皆さん,入学おめでとう。ようこそ若園中学校へ!皆さんの引き締まった顔からは,今日から始まる中学校生活への意気込みが伝わってきます。そして、二・三年生の皆さん、進級おめでとうございます。
皆さん、タンポポという花は知っていますね。二十年ほど前のことです。そのとき私が担任していた三年生のクラスの級訓が『タンポポ』でした。先輩の先生からの受け売りでしたが、こんな話をしました。「群生しているタンポポは、いつも緑のじゅうたんの上で黄色い花を揺らしている。ところが、花壇で咲き誇る花たちと違って、タンポポは実は三日程度しか咲かないんだ。でも、一つ一つの花が自分のタイミングで短い期間でも精いっぱい咲くから、日中に全体を見ると、とても長い期間いつもたくさんの黄色い花が咲き誇っているように見えるんだって。一人一人が前向きにやれることや活躍できそうなことを自分のタイミングで、自分のペースで、精いっぱい。それがうちのクラスの輝きをつないでいく。あなたのおかげで、このクラスが生き生き続いていく。そんなクラスであってほしい。」そう投げかけて決まった級訓でした。そして卒業式までの一年間、皆で喜び合うときがあり、他人のために涙する子がいて、じっくりと力を蓄える子もいました。それぞれの咲き方で一年間がつながり、迎えた卒業式、誰一人欠けることなく、さながらタンポポの綿毛の如くそれぞれ新天地へ旅立っていきました。皆さんはこの一年、どんな級訓のもとで、どんな仲間たちと、学校での生活を盛り上げていくのかな。楽しみにしています。
さて、級訓の次は、校訓。若園中学校の校訓は、「みがく」です。勉強、心、体力、これからの三年間で大いに磨いてください。そして、若園中学校では毎年、一年間を通してのキーワードを掲げています。今年度のキーワードは、「こえる」です。
皆さんには幾つかの「こえる」を心に留めていてほしいです。
一つ目は、「仲間と一緒に、壁を乗り越える」です。体育祭や合唱発表会などの行事や、毎日の授業での疑問の解決、人間関係のもつれ、部活動での目標達成など、皆さんの前には様々な壁が立ちはだかります。そんなとき、仲間と協力し合い、仲間を支え、また支えられながら、乗り越えてほしい。学校は、社会に出る前に、そうした経験を重ねられる貴重な場所です。若園中学校が、皆さんにとって心地よい居場所の一つであることを願っています。
次の「こえる」は、仲間と一緒ではなく、「自分で越える、そして自分を超える」場面です。人間誰しも辛いことや逃げ出したくなることに出会います。今の世の中、「辛いときは逃げていいんだよ、休んでいいんだよ」と言われます。私は、その言葉を、少しだけ正確に受け取ってほしいと思っています。正しくは、「今壊れそうなぐらい辛いなら、つぶれそうなぐらい苦しいなら、今は逃げていいんだよ、休んでいいんだよ。乗り越える力を蓄え、乗り越える方法を見つけるまでね」という意味です。 逃げる・避ける・とどまるは、もう一度その壁に向き合い、折り合いをつけて、次に進むためのチャージです。いつしか、「辛い」じゃなくて、「やりたくない」ことを避け、それと向き合わなくても済むほうの道ばかり選ぶ人が増えました。ただ、ずっとそのままかわして生きていけるわけではないのです。壁のいくつかは、どこかのタイミングで乗り越えなければ先へ進めないんです。この一年、立ちはだかる現実に対し、安易な回避ばかり続けることにならず、顔を上げて未来に進もうとする姿勢、強い心を身に付けましょう。先生たちもお家の人もあなたの味方です。一緒に悩み、考え、乗り越えるためのお手伝いをします。
ここで保護者の皆様へお願いです。子供たちには、回復力があります。今風に言うと、レジリエンスです。筋肉が負荷のあとに強くなるように、子供たちも、苦しんだあとに力を蓄え、自分の力で前へ進みます。悩み苦しむお子様の声を、そっと待ち、そばで受け止めてください。決して先回りせず、答えを代わりに決めつけず、お子様の回復力を信じて「ひとりじゃないよ」と伝えていただければと思います。僭越ながらお願いを申し上げました。改めまして、保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。本日、大切なお子様を、確かにお預かりしいたしました。職員一同、情熱と誠意をもってお子様の支援と指導に努めてまいります。
結びに、新入生一人一人が、この若園中学校で自分を磨き、友と磨き合い、笑顔あふれる日々を送り、立ちはだかる困難にも前向きに挑んでいけることを祈念し、式辞といたします。
令和八年四月九日
豊田市立若園中学校長 神戸 勝一